3行まとめ

  • Claudeは会話の前に「システムプロンプト」という運営側の指示文を読んでいる。2026年9月1日付のClaude Fable 5.1向けの版が更新された。
  • 海外ブログによると、歌詞・詩の複製、既存キャラクターやロゴの描画を断る方針が強まり、言い換えても断り続けるように書かれている。
  • 自分で作った文章の要約や、オリジナルの案づくりなら、この変更の影響は小さいと考えられる。

何が変わったのか

システムプロンプトとは、利用者が入力する前にAIへ渡されている、運営側の指示文です。店でいえば、開店前に店長が配る接客マニュアルにあたります。Anthropicは、claude.aiとスマホアプリ向けの指示文を公開していて、API向けには適用されないと説明しています。開発者のSimon Willisonさんは、Claude Fable 5.1向けの2026年9月1日版の差分を読み、変更点を整理しています。アプリで見える動きは、モデルの性能だけでなく、この指示文でも決まります。同じ質問への返事が以前と違うと感じたら、モデルではなく指示文の更新が理由かもしれません。指示文はモデルごとに違い、選んだモデルで動きが変わります。

ブログが挙げている主な点

歌詞や詩は、一部の抜き出しも含めて複製しない。一度断った後は、範囲を狭めたり言い換えたりした依頼にも同じ対応を続ける。著作物のキャラクター、ロゴ、特定の作品の絵は、コードで描く形式でも描かない。Fable 5.1版には、回答は短く、注意書きも簡潔にする、という方針も入っています。歌詞・詩、言い換えても断り続ける点、キャラクターやロゴは、公式のFable 5.1版の本文で確認できました。なお筆者は、Claude自身に要約させず別のモデルで差分を読んだこと、公開版に載らない実行時の指示もありうることを書いています。

指示文づくりへのヒント

この更新は、指示文を書く側の参考にもなります。「断る」と決めたことは、例外や言い換えへの対応まで先に書いてあります。自分のAI用の指示文でも、禁止事項は「何を」「どこまで」「言い換えられたらどうするか」まで書くと、ぶれにくくなります。基礎は「伝わるプロンプトは、4つの要素で作る」で確認できます。

日本の読者が試せること

自作の文章で要約を頼む

架空の社内メモなど、自分で作った文章を貼って、要約を頼みます。複製ではないので、通常どおり答えるはずです。

断られ方の違いを観察する

1929年より前の詩(例:シェイクスピアのソネット)は全文の引用を、最近の曲は歌詞ではなく内容の説明を頼み、返し方の違いを見ます。最近の曲の歌詞の全文は頼まないでください。この版の公式本文は、1929年より前に公開された歌詞・詩は問題ないが、日付が不確かなら断る、としています。結果は時期やモデルで変わります。

自分用の禁止ルールを書いてみる

下のプロンプトで、AIに「例外まで書いたルール文」の下書きを作らせ、読み比べます。

[ ]の部分を自分の情報に置き換えて使えます
次の目的で使う、AIへの指示文(ルール部分)を作ってください。
目的:[例:社内の問い合わせ対応用チャット]
禁止したいこと:[例:他社の名前を出した比較の断定]
条件:禁止の理由を1文で書く/言い換えて頼まれた場合の対応も書く/代わりにできることを2つ書く。
出力:箇条書き5行以内。

確かめること

  • 禁止事項が「何を」「どこまで」まで書かれている
  • 言い換えて頼まれた場合の対応が書かれている
  • 代わりにできることが示されている

日本でやるなら

  • この指示文の対象はclaude.aiとスマホアプリです。公式ページによるとAPIには適用されないため、自社のシステムに組み込んだClaudeの動きとは別です。
  • 日本での提供状況、無料プランと有料プランで差があるかどうかは、今回確認できていません。公式の料金ページで確認してください。
  • 歌詞や画像を扱うときの日本の著作権法上の扱いは、この記事では判断しません。業務で使う場合は、社内の規定や専門家に確認してください。
  • 社内の文書を貼って要約を頼むときは、貼ってよい情報かを先に確認します。目安は「仕事の情報をAIに入れる前に」の記事を参照してください。

確認できていないこと

  • 公開されている版では、Opus 5.5版にも同じ規定があり、Sonnet 5.5版(9月28日)とHaiku 5.5版(10月7日)には見当たらない(2026-10-08確認)。ただし公開されていない実行時の指示があるため、公開版に無いことと実際の動きは同じとは限りません。
  • ブログの筆者は、歌詞の方針が訴訟報道の後に入ったと推測していますが、関係は確認されていません。
  • 1929年より前に公開された歌詞・詩が例外になる点は、公式の本文にもあります。日本の著作権の扱いとは別の話で、日本での扱いには触れていません。

出典

数字・事例は出典の記載に基づくもので、当サイトでは検証していません。サービスの提供状況や画面は、プラン・地域・時期で変わります。